2006年12月24日
現代アートのためのオブジェ土
前衛とかオブジェとか陶芸の世界にアートが入ってきて生まれたのが、陶磁器で立体作品が作りやすい荒土とも呼ばれる粘土。信楽ベースの白荒と赤土ベースの赤荒がある。どちらも信楽土(白粘土)・赤土に童仙房と呼ばれる耐火度の高い粘土をふるって、細かい粒子を加えた粘土。割れたりひずみにくい。磁土は、瀬戸の磁土のように半磁器系の粘土がよく使われる。この粘土は京都の芸大などで立体作品を多く制作する為に、当初各自が自分で作っていたが、出入りの粘土業者が「荒土」の名称で、「白荒」「赤荒」と名付けた。元々京都でよく使われる粘土は、信楽のスイヒした粘土の荒い粒子を取り除いているものを、更に細かくすりつぶして細かい粒子だけの粘土を、信楽土と呼んでいる為に、厚さや密度が違うとひずみの結果割れやすい。ロクロや手ひねり・タタラでも、食器などの一般的形状の場合プロが使えば、割れもほとんど出ないが、オブジェなどは、信楽のスイヒしただけのものだと、多少の厚さの違いがあってもゆがみ・割れが少ない。これは、粒子の隙間があることと、粒子の大きさの違いが、ゆがみを多少修正してくれるからである。京都は、磁器や半磁器に近い食器の高級品に使う為に、粘土の粒子を細かくしている為に、耐火度を上げて、多少粒子の変化も加える為に、童仙房を、自分の目的や肌合いなども考えて、好みの粒子にフルイの目を決めてふるい、京都の信楽土に加えた。