2007年02月18日
人間国宝 清水卯一先生の想い出
清水卯一先生のご自宅はご存知五条坂の東大路よりやや西の北側にある。先生が土を求め、薪で焼く窯を求め滋賀県の蓬莱に移られて、この地の自然の材料を駆使して取り組まれたのは有名がだ、石黒先生・木村盛和先生らとの交友。鉄釉の研究。天然の灰釉のダイナミックな作風。何よりも叔父鈴木卓司・友人で先生の弟子の猪飼祐一を通して聞いていた先生像と、実際お会いしてお話をお伺いするようになって私自身、土・窯、焼き物の持つ原点をこれほど直接的に感じさせてくださった方は珍しい。私自身、陶芸の世界に入る最初の興味が鉄釉の研究からだったし、先生と発表の場が違ったが、「日展」初入選作品の『回想』は、松の木の灰を使った釉によるものだった。天然灰や鉄釉におもしろい物が出来ればできるほど、造形を複雑にするよりシンプルイズベスト。しかし、肌に素材の荒々しさが残った方が、おもしろい変化を生み出す事など経験していく内に、先生の作品の魅力が見えてくるようでわくわくしたのを覚えてる。もっとたくさんの作品を残していただきたかった。
Posted by こやまあきゆき at 00:07│Comments(0)
│陶芸家