2006年11月10日
300色の色化粧
昔から歌舞伎役者や舞妓さん達は、顔を白塗りにします。まだ磁器のような真っ白い焼き物ができなかった時代から、白い器を作る方法として白化粧という技法が生まれました。ここで使う真っ白い土にも色々名前が付いていますが、大切なことは、本体の粘土と焼く時の収縮率が大きく異なると剥落しますし、そのために成分を調整する必要もありますが、京都府陶工訓練校(現在の陶工高等技術専門校)で基礎を2年間学んでいたころ、300百色の色化粧を作る実験を同僚の山崎君と行いました。結局色の3原色とその中間色のカラフルな主要150色の実験で終了し、翌年後輩が残りの150色を完成してくれましたが、実験の方法は、磁器に塗る化粧として、同じ磁器の成形し削った乾粉9対顔料1を基本としました。顔料とは、高温で焼くとトルコ青ならその色になるように調整して乾粉にしたもので、ピンクとトルコ青の中間は明るい紫のなるとか、顔料1を10%と考えてその配合を少しずつ変化させました。ただし、顔料ではなく金属、たとえばコバルトや銅やマンガンなどの場合は、10%でいいのかまず実験。結局コバルトは1%でもいいくらい発色します。また酸化で実験しましたが、コバルトは還元の方が奇麗だとか。地道な実験で様々な色化粧をたくさん作りそれを使った作品も生まれました。化粧し、もう一度素焼き(800度位)で焼いて、透明の石灰釉をかけます。応用で作品に複数の水色から黄緑系の化粧数種類を重ねた作品には、あえて青を強調し全体を1つに調和させるために砧系(ブルー系)の青磁釉をかけました。また粘土用は信楽土の乾粉を使おうとしまhしたが、薄く塗る分には、磁器土ベースでも剥がれませんでした。ちなみに昔トイレの黄緑の陶製の便器などは、クロム系の化粧を使われた事もありますし、タイルの色出しに化粧を使う場合もあります。これは、釉薬にピンクなどの顔料を混ぜてピンクの釉薬にしても、ムラが出やすいので、アラカジメピンクに化粧すれば、透明釉をかけるだけですむからです。
Posted by こやまあきゆき at 00:48│Comments(0)
│円山流陶芸技法